軽種:リピッツァナー(Lipizzaner)
リピッツァナーとは
リピッツァナー(Lipizzaner)は、16世紀にオーストリアのハプスブルク家が品種改良によって生み出した軽種馬である。
なお、日本ではリピッツァナーを生産していたリピッツァ牧場の名が品種名と誤解され、「リピッツァ」と呼ばれている。
リピッツァナーは、オーストリアにいたアンダルシア馬(アラブ種、バルブ種、13世紀のスペインの在来種)の流れを汲むカルスト種と、同じくアンダルシア馬の流れを汲むイタリアのネアポタリノ種を交配させることで誕生し、1580年からトリエステ近郊のリピッツァ(Lipizza)の牧場で生産が開始された。
リピッツァナーは身体面では柔軟性と頑丈さを兼ね備えた馬体、精神面では忍耐強さと優れた感受性に特徴がある。
16世紀末から18世紀半ばにかけて世界最良の軍馬として認識されていたが、ハプスブルク家がオーストリアの外に出すことを嫌ったため、オ-ストリアの国力衰退とともに生産が下火となり、やがてプロイセン王国が作りだしたトラケナーやイギリス発祥のサラブレッドに取って代わられた。
リピッツァナーは現在馬術用の品種として存続しており、ユーゴスラビアはオリンピックの馬術競技用の品種として重用した。