馬の特徴:その他の特徴
個体識別の際に使用されるその他の特徴について
馬の外貌は個体を識別する際の重要な手がかりとなります。
現在、世界各国において馬の個体識別法は性別、毛色、白斑(はくはん)及び、旋毛(せんもう)など先天的な特徴である記録する方法によるものがほとんどですが、これらに加えて焼印や入墨などの後天的特徴を補助手段として利用する場合もあります。
個体識別に利用されるその他の特徴
- 刺毛(さしげ)
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白毛で白斑を呈するには至らない程度の場合を「刺毛」という。
- 白斑
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頭部、肢部以外のもの。親指より小さい斑を「小白斑」という。
- 異毛斑
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白斑以外の斑模様で明確であるものである。
- 岩陥(いわおち)
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「岩陥」とは体の一部が陥没して凹状になっているものである。
- 創傷痕等の損徴
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傷跡で、特に顕著なもの。
- 入墨または烙印
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馬の個体識別のために、人間によって故意に付けられた入墨または烙印をします。
烙印には凍結烙印と焼印があり、北アメリカの競走馬においては入墨が施され、オーストラリア・ニュージーランドでは凍結烙印を主に用いています。
この場合、左肩には生産者の印が、右肩には出生番号とその下部に出生年の末尾を示す烙印が用いられます。
- 目の特徴
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輪眼(りんがん)
輪眼とは白目の部分が大体目の周りを取り囲んでいるものである。 -
魚目(さめ)
魚目とは虹彩の色素が欠乏し、黒目が青く見えるものである。佐目毛の馬の目が魚目である。
- マイクロチップ
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JRA、日本軽種馬登録協会、地方競馬全国協会では2007年より個体識別のためのマイクロチップ導入を行っています。
イギリス・アイルランドでは既に1999年から行われており、アサクサデンエン、コンゴウリキシオーはマイクロチップが埋め込まれた状態で輸入されました。
15桁の固有のデータが書き込まれた直径2mm、長さ14.6mmのICチップを体内に埋め込みます。専用の読み取り機で内容を読み取ることができ、安全性が高く、改ざんも不可能なことから高い信頼性を実現しています。
マイクロチップ導入による個体識別は、血統審査の際、競走馬の登録、種付けの際、セリ市場、競馬場への入厩、競馬当日の装鞍所に入った際など様々なケースで利用されます。
国産馬ではディープインパクトがマイクロチップ導入第一号となりました。