三大始祖
三大始祖について
三大始祖とは、現在のサラブレッドの直系父系祖先を可能な限り遡った場合に辿り着く「バイアリー・ターク(Byerley Turk)」、「ダーレー・アラビアン(Darley Arabian)」、「ゴドルフィン・アラビアン(Godolphin Arabian)」の3頭の種牡馬のことです。
現存のサラブレッドの血統を父の父、そのまた父…と遡っていくと、必ず3頭の種牡馬に辿り着くため、この3頭を「三大始祖」と称しています。
三大始祖が生存していた時代には、「サラブレッド」の概念は成立しておらず、後に「サラブレッド」として品種が確立された馬の父系先祖を辿った場合に、個体の記録が公式に残っているものとして行きつく最古の馬、ということです。
サラブレッドは複数の品種を用いた品種改良の結果誕生した品種のことですが、三大始祖はこの品種改良に用いられた多数の馬のうちの3頭に過ぎないため、三大始祖それぞれはサラブレッド品種ではありません。
例外もありますが原則的に両親ともサラブレッドでなければその仔もサラブレッドとして登録出来ないため、今後も三大始祖以外を父系祖先とするサラブレッドは生まれて来ることはありません。
「三大始祖」と呼ばれる3頭の種牡馬
- バイアリー・ターク(Byerley Turk)
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[生]1679年頃 - [没]1705年
3頭の父祖馬のうち、最も早く生まれた馬。バイアリー大尉が軍馬として自ら騎乗していた馬であることから、この名前になりました。この系統は5代目のヘロドを経て世界に広がりました。バイアリーターク、つまりターク種と記載しているが、残された絵画での特徴はアラブ種のもので、ターク種ではなく単にトルコ生まれのアラブ馬との説もあるようです。
- ダーレー・アラビアン(Darley Arabian)
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[生]1700年頃 - [没]1730年
現在サラブレッドの90%以上は、このダーレー・アラビアンの系統といわれるほど、最も繁栄しています。この偉大な血脈を大きき発展させたのが、5代目に現れたエクリプス(Eclipse)です。名前は馬主であったトーマス・ダーレーから由来し、「ダーレー所有のアラブ馬」という意味です。
- ゴドルフィン・アラビアン(Godolphin Arabian)
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[生]1724年 - [没]1753年
モロッコ王国からフランスに送られるはずでしたが、運命のいたずらで英国に渡りました。伝説にあふれた経歴を持つこの馬は、3代目の子孫マッチェムを通じ、その血を今に伝えています。遺伝的にはサラブレッド最大の創始者。その奇異な馬生は小説にもなりましたが、信頼できる資料も少なく謎も多いようです。猫好きだったとの説もあり、絵画にも猫が描かれています。